いとう治療院ブログ

【治療戦略と症例】 右手首の痛み

2013/7/26

【患者情報】高校生男子 ハンドボール選手

【主訴】右手関節の痛み

【現病歴】一ヶ月前からダンベルにて手首の筋肉トレーニングをしていると、手首の甲側に痛みが出るようになった。発症時期はハンドボールを始めた時期とほぼ重なっている。筋トレ自体は以前からも独自に行っていた。

【随伴症状】腰痛 立ちくらみ 眼精疲労

【所見】(筋・骨格バランス)右背部から腰部にかけての緊張、骨盤の捻れ (脉診)左関上・尺中の虚脈 (局所)右手関節の過伸展[背屈]時に内側上顆に痛み

【処置】
1日目 (本治)脉差と随伴症状より肝虚として行う[腎水の不足に対しても処置](標治・局所)前腕屈筋群の起始停止を緩める。

2日目 ペインスケール10→3。経過良好である(本治)前回同様。(標治)前回同様。 施術後、ほぼ痛みなし

【経穴】陰谷、曲泉、足三里、曲池、少海に数点、神門付近(前腕屈筋群の起始停止)など

【治療戦略と考察】
右手関節屈筋群の疲労性の緊張と考える。手関節を過剰に背屈(腕立て伏せで顕著な痛み)させた時、筋肉の付着部に痛みが発生している。手首の甲についてはそれらしい所見がなく、屈筋群からの放散痛として処理した。実際に、手の甲の痛みは消失。その後、2ヶ月経って再来院した際にも症状の再燃はみられない。初診時には自宅でのテーピング療法や筋トレについても指導させてもらった。
慣れない競技を始めたことが症状発生の一因かもしれない。

※記号413-1