いとう治療院ブログ

【治療戦略と症例】 背部痛

2013/9/2

【患者情報】20代男性 教員

【主訴】背部痛
昨日の夜にテニスをしていて背部下部から腰部を痛める。十数日前に起こした急性腰痛が完全に治らない中で腰を気にしながらのプレイであった。胸椎12番の脇が痛い。

【その他の情報(既往歴など)】
・数年前の秋に肺炎
・昨年の春にノロウィルスに罹る
・15歳のときにギックリ腰を患い、その後前屈動作が行いにくい
・以前は、風邪を引きやすい
・汗が大量にでる
・尿が近い

【考察・治療戦略&所見・処置】
この時期(9月)に初診で来る方に対しては、「肺の臓」の変動から考えることが多いが、このケースにおいてもそれは当てはまる。そのことは【その他の情報】から判断することが出来る。ご自身でも夏後半から秋は苦手という「肺虚体質」ならではの発言もあった。さらに、腹証では「右中注大巨」に著明は反応があり、これは長野式治療における「扁桃の証」である。扁桃の問題は免疫と関係の深い「肺・肺経の変動」として考える。従って、全身調整としては扁桃処置を行うことにした。

他に、<右関門の反応・脾虚肝実(脉差)・右の脉から肺経・心包経・心経の気滞(気口九道)>から長野式の肝実5点処置の変形型を行う。

結果としては、痛みや脊柱の可動域は改善するもののまだ、残存してる割合が多い。(腹証・脉状ともに所見は良好)

全身調整後に座位でバランスを取ってみると、左右の腹筋群にアンバランスがあったので帯脉刺鍼で脊柱の運動痛をやや改善させる。

2回目以降は、初診で残した、歪みをさらに追求する予定。若さや鍼刺激との親和性の高さから考えると、初診の治療のみでもテニスを行う前の状態、つまり背部の痛みが取れることは十分に期待できる。

※ 記号 453-1