いとう治療院ブログ

【肩こり】 標準整形外科学の肩こりについての解説1

2013/7/19

前回、標準整形外科学から抜粋した内容を鍼灸師目線で簡単に解説してみようと思う。

「後頚部から肩甲骨にかけての・・・」
肩こりがどの部分に起きやすいかということであるが、首の後ろから肩の盛り上がったところを経て、肩甲骨付近(肩甲骨間も含む)をいうのは、患者さんの訴えとほぼ同じである。臨床的に重要なのは、首の横あるいは前から鎖骨の上を経て前胸部の硬化である。「側(前)頚部から前胸部」という文言も加えてみたい。(しかし、次に書いてあるように自覚症状の有無が大事なので、首の横や鎖骨の上などは治療上重要でも肩こりの定義からは外してよいのだろう。)

「・・・筋肉の強張り・・・」
「強張り」というと、筋肉が過剰に収縮・短縮して窮屈という印象がある。初期の肩こり症状はこのように収縮傾向にあるが、慢性化すると伸張・弛緩(しかし、硬い!凝りが筋肉中に点在)という状態が多いようだ。

「・・・不快感、違和感、鈍痛・・・」
肩こり症の定義とも関連するが、自覚症状の有無が重要である。仮に肩の筋肉が過緊張あるいはゴリゴリに固まっていても、自覚がなければ肩こり症ではない。「肩が硬い、あるいは張っている」というだけのことである。また、上記の3つの言葉は鈍痛ということばが表すように、「強烈な、鋭利な感覚ではない」ということも分かる。