【鍼灸の戦略と症例】肘の痛み(外傷に起因)
2015/5/5
- 一般鍼灸
- 鍼灸の戦略と症例
30代 女性 鍼灸師
【主訴】
両肘の痛み
【現病歴】
昨日の午後 、アイススケートの最中に後部へ 転倒し、肘を痛める。 臀部を打撲したことは明白であるが、手を突いたのか、肘を突いたのかは不明。転棟直後から痛みが強く、起き上がれなかった。その後、自宅にて患部にアイシングを2回、就寝前に冷湿布を張る。
肘の曲げ伸ばしや肘を外側へ回転する動き、右手にて後頭部に触る動作が出来ない。
【その他の情報】
頻尿傾向 、痔出血たまに 、頭痛持ち 、耳鳴り 、口内炎多い、アレルギー(くしゃみ 鼻水 詰まり)
弱いと認識している所:喉の弱さ、排便、耳
【所見】
両肘の運動痛および制限:屈曲・伸展:回外(回外は昨日より緩和)
右結髪動作+ : 肩関節の可動性低下もややあるが主体は肘の疼痛によるもの
脈状:浮脉・虚脈 (脈差:左関上、尺中の沈が虚→その後、浮いて緊張する)
腹証:心窩部にやや張り
【処置】
椎骨動脈血流促進処置:陰谷・曲泉・上四トク・天柱・風池・附陽
扁桃処置:曲池・天ユウ・大腸兪
肝虚の為の経絡調整:(陰谷・曲泉) 光明・陽輔 、肝兪
肘への対策:腕橈骨筋・上腕二頭筋・三頭筋・棘下筋
【鍼灸戦略と考察】
肘の痛みは外傷に起因しているので局所を施術することは当然であるが、体質を考慮した全体的な処置を実施した。居住地は大阪ではなく、豊中に居る親類宅へ来ている際の来院である為、連休終了後は当院での施術は出来ない。時間的な余裕もあったので、根本から徹底的に施術を行った。また、体質的に回復力、自然治癒力が旺盛にあるようには思えなかった。(脈状より判断)
施術後すぐにスッキリとはいかないが、時間の経過とともにゆっくりと回復すると思われる。
(No.)
肩こり・腰痛から原因不明の症状まで
はりきゅう いとう治療院@緑地公園 豊中・吹田